光ディスクの豆知識


プロは上手に使い分けてる! オフセット印刷とシルク印刷

プロは上手に使い分けてる!オフセット印刷とシルク印刷
 オフセット印刷とシルク印刷ってどうちがうの?  オフセット印刷とシルク印刷ってどうちがうの?

DVD/CDプレスでは、盤面印刷をオフセット印刷とシルク印刷の2種類の印刷方法から選ぶことができます。でも正直言って、どっちがいいのか、どう違うのか、よくわからないですよね? 迷った時は、オフセット印刷なら、ほとんどのデザインはそのまま印刷することができます。でも、広い面積をべた塗りする時や、コーポレートカラー等の指定が ある時などは、シルク印刷を使った方がより綺麗に仕上がります。 ここでは、印刷手法に関するご説明は概要にとどめ、それぞれの方法で印刷をした場合の見た目の細かな違いと、印刷用のデータを作成する際の注意点について詳しく説明し、 ご希望のデザインをどちらの方法で印刷するのか、選択される際の参考にしていただきたいと思います。





 オフセット印刷の特徴  オフセット印刷の特徴

オフセット印刷とは、アルミでできた版の上で、水(湿し水)と油(インキ)の反撥しあう性質を利用し、インクがのる部分とのらない部分とを分けて印刷します。 版を作るコストが安く、大量のロットを短時間で印刷することができるので、現在の商業印刷では最も一般的な手法です。

オフセット印刷概要

実際には、版と印刷物の間にブランケットと呼ばれるものを経由するのですが、仕組みとしては概ね上図の通りです。 オフセット印刷の強みは、多色刷りに適しており、写真やイラスト、グラデーションのあるデザインなどを綺麗に印刷することができる点です。弱みとしては、 インクの厚みが薄いので、下地のディスクの色が透けたり(白ベース色を入れることで予防できます)、広い面積を一色でべた塗りすると色ムラが生じやすい、ということがあります。





 シルク印刷の特徴  シルク印刷の特徴

シルク印刷とは、版に大小の穴をあけ、スキージと呼ばれるへらで、インクを伸ばし入れる方法です。かつて、年賀状を作る時に使った「プリントごっこ」という商品がこれと同じ原理を利用しています。

シルク印刷概要

シルク印刷の強みは、べた塗りに強いことです。インクを厚く塗布することができるので、広い面積でもきれいに印刷できます。また、特色が使えるので、企業ロゴなどのコーポレートカラーも 忠実に再現できます。逆に、シルク印刷の弱みは、色数が限られている(4色+白ベース色)ので、カラー写真などのデータを印刷できないこと、 色ごとにオブジェクトやレイヤーを分けていただく必要があるので、データの形式が限られることです。





 実際の印刷物の比較  実際の印刷物の比較

下の写真は、同じデータをオフセット、シルクそれぞれの印刷方法で作成したディスクです。肉眼ではわかりませんが、数十倍に拡大すると オフセット印刷の微細な版のずれやシルク印刷の塗りの厚さに違いがあらわれてきます。


オフセット・シルク盤面比較

オフセット印刷では全ての画像を「色のグラデーション」として捉えているので、上のようなデザインだと、白い部分と黒い部分の間を緩やかに(グラデーションっぽく) 移行していくような表現になります。したがって、このように輪郭がはっきりとしたデザインにはシルク印刷の方が向いていると言えるでしょう。





 シルク印刷データ作成時の注意点  シルク印刷データ作成時の注意点

「色数が少なく、一色の塗り面積が広く、輪郭がはっきりとしたデザイン」の場合は、シルク印刷の方が綺麗に仕上がるのは上述の通りなのですが、シルク印刷を行うには、 それに適した形式のデータを作成する必要があります。解像度さえ気にしなければ、どんなデータでも印刷できてしまうオフセット印刷と違って、シルク印刷では、 色ごとにパーツを分ける必要があるのです。パーツが分かれているから、輪郭がはっきりとしたデザインを鮮明に表現できるし、別のパーツの色に影響されずに 特色を正確に表現することができる、とも言えます。上の写真のデザインデータを色別にパーツ分解すると、下の図のようになります。

シルク印刷データ

当社のシルク印刷では、ベース色の白+4色まで印刷できます。また、一部分だけインクを塗らず、銀盤(DVDやCDのデータ面と同じ銀色の部分)をそのまま活かして使用することもできます。

せっかく素敵なロゴマークを作っても、色ごとにパーツを分けることが出来なければ、シルク印刷はできません。 会社のロゴを、見本用のjpg画像を使って印刷したい、というような時も、白い背景部分とロゴマークとが分離できなければシルク印刷はできません。 そのような場合は、オフセット印刷にて進行いたします。

関西メディアロゴ
色別にパーツを分けられない
白い背景と分離できない

※このようなデータは全てオフセット印刷にて進行いたします。



基本的には、シルク印刷用のデータとして、DICカラー番号の指定と、色ごとにレイヤーがわかれているデータでなければ、オフセット印刷で 制作させていただきます。事前にご相談いただければ、お客様のデータがシルク印刷で使用できるか、オフセット向きか、こちらで確認して ご連絡させていただきますので、お気軽にご相談ください。