光ディスクの豆知識


プレスとコピーを徹底比較! それぞれのメリットとデメリット

プレスとコピーを徹底比較! それぞれのメリットとデメリット
 まずはプレスとコピーの違いをざっくりと  まずはプレスとコピーの違いをざっくりと

プレスとコピーの違いをひと言で表すと、プレスがオーダーメイド、コピーは既製品を加工したもの、ということになります。 実際にプレスの場合は、一つ一つのマスターディスクに対してスタンパー(金型)を作成し、そこに樹脂を流し込んで作成します。 それに対して、コピーは市販のCD-Rや、DVD±Rにデータを書き込みます。ここで見る限り、プレスはなんだか大掛かりで本格的、その点コピーはお手軽、というイメージですね。 それで正解です。それでは、どちらを選んだ方がよりお得で満足度が高いのか、品質、価格、納期の面で比べてみましょう。


   品質の比較  品質の比較

DVDやCDの品質とはどこで決まるのでしょうか?「音の良さ?」「映像の美しさ?」それらはどちらかというと、DVDやCDになるまでの編集、ミックス、マスタリングの過程、または、 それぞれの再生器機の性質によるところが大きいと思います。一つの媒体(メディア)としてのDVD、CDの質は 再生互換性と、経年劣化に対する強さ(寿命)を基準に測られるべきものと考えます。

  
再生互換性
経年劣化に対する強さ(寿命)
プレス 
規格に基づいて作られたプレイヤーでの再生は保証される。
物理的に作った穴や溝の深さをデータとして読み込んでいる ので、記録層そのものが化学変化を受けることは無い。ただし、工業プラスチック製品としての寿命はあるので、 ケースなどに入れて保管した方が良い。
コピー 
データを書き込むメディアの質によって左右される。ドライブとメディアとの相性もある。
色素変化によってデータを記録しているので、色素自体が 熱や光の影響を受ける。直射日光のもとで出しっぱなしにするなど、保管状況が悪ければ数年で再生できなくなることも。


上の表を見ると、メディアとしての品質はコピーで使用するDVD±RやCD-Rよりもプレスで作成するDVD-ROM、CD-ROMの方が高いことがわかります。 では、DVDやCDを、単にデータの入れ物としてではなく、ひとつの作品や商品としてとらえると、ディスクの見た目=盤面印刷の質も重要になってきます。
下の写真では、同じデータを使ってプレスの工程で印刷した場合とコピーの工程で印刷をした場合の比較です。


プレスとコピー印刷比較

印刷する対象が、プレスはなめらかで光沢のあるポリカーボネイトであるのに対し、 コピーの方はインクジェットを浸透させる為の白い、ざらっとした盤面なので、同じ条件で比べることは不可能ですが、それをふまえた上で見た目を比べると、データから機械を通して直接インクを盤に 塗布するコピーでのインクジェット印刷に比べ、フルカラーの構成要素であるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色それぞれの版を出し、印刷機にかけて印刷するプレスでの オフセット印刷の方が、手間やコストが多くかかっている分、ツヤや色の深みにおいてもより美しいと言えるでしょう。 また、コピー用のDVD±RやCD-Rの盤面印刷は、強くこすったり、濡れた手で触ると色が落ちたり、滲んでしまうので注意が必要です。

 価格の比較  価格の比較

価格を比較する上では、ロット条件が大きな要素になってきます。DVDやCDをプレスする場合は、1ロットが100枚となりますので、注文可能枚数は100枚、200枚、300枚~ というように100枚単位が条件です。それに比べ、コピーの方は1枚単位で注文をすることができます。仮に同じ枚数で注文した場合、300枚をコピーするよりも、プレスをした方が価格が安くなります。

  • 枚数
    DVD プレス
    DVD コピー(みんなのコピー屋さん)
    合計金額
    一枚あたり単価※
    合計金額
    一枚あたり単価※

    100

    28,000
    280
    10,000
    100

    200

    28,300
    141.5
    19,600
    98

    300

    28,400
    94.7
    28,800
    96

    ※DVD一層、盤面印刷はフルカラーでの金額です。DVDコピーの価格は弊社サイトみんなのコピー屋さんでの価格です。

                                             ※小数点以下は切捨て
                                              単位:円(税別)

前述のとおり、DVDコピーの方は1枚単位で発注することができます。それでは、枚数を自由に選んだ場合、コピーよりもプレスの方が金額が安くなる分岐点 はどこになるでしょうか? 答えは、295枚です。もし、盤面フルカラー印刷でDVDを296枚コピーするのであれば、300枚プレスした方が金額が安くなります。

また、プレスは盤面印刷があってもなくても金額が同じなのですが、コピーの方は、ご希望に応じて細かく設定できるオプションがあります。 同じ枚数でも、盤面印刷がフルカラーでなくポイントカラーであったり、文字だけであったり、もし盤面印刷が不要であればもっと金額は安くなります。詳しくはこちらをご覧ください。

 納期の比較
 納期の比較

DVDをプレスで作るには、およそ8営業日かかります。例えば、1日(月)の午前中に弊社にマスターが届いた場合、土・日を除外した8営業日後=11日(木)の出荷になります。 それに比べると、コピーの方は、その時の受注状況にもよりますが、200~300枚であれば2~3日で出荷可能です。 数十枚のご注文であれば、マスター到着日に出荷することも可能です(※ジャケットやケース等も注文される場合はもう少しお日にちをいただきます)。この点では、 完全にコピーの方が簡単でお手軽だと言えます。

 


まとめ

DVDをたくさん作りたい、という時に、プレスにするべきか、コピーにするべきかは、どちらの方法も一長一短、というのは詳しくご説明いたしました。 あとは、複製するディスクの用途や予算によってプレスにするかコピーにするかを判断いただくことになりますが、その判断基準として、以下の内容をご参考ください。

プレス向きの案件
コピー向きの案件
・納期に余裕がある(10日前後待つことができる)
・複製したDVD・CDを商品として販売する
・300枚以上制作する
・見た目や品質にこだわりたい
・官公庁の報告書や学会の資料など長期間の保存が必要
・急ぎの案件(入稿後2~3日で欲しい)
・身内に配るようなシンプルな内容で簡単に作りたい
・枚数が少ないのでとにかく安く仕上げたい
・社内での周知・教育ツールとして使用する
・納品後も数枚単位で簡単に追加作成したい